【2021年間ベスト】Virgin Music Japanスタッフが選ぶベスト・ソング5選 vol.1

2021年、多くのアーティストや音楽レーベルが引き続き困難にぶつかったコロナ禍の中でも、インディー音楽シーンでは、時代性やアイデンティティと主体的に向き合う次世代アーティストたちが、世界各地で台頭した年だった。今年のデビューアーティストから、予想外のブレイクやTikTokでのバイラルヒット、グローバルリリースまで、Virgin Music Japanスタッフが2021年のリリースから各々の基準で選ぶ年間ベスト・セレクション企画。今回はインターンのRUPINのセレクションをどうぞ。



★ Virgin Music Japan Staff:RUPIN
ドリームポップとラナ・デル・レイが好き


■TOP 5 Songs (順不同)


ADOY「Antihero」

2017年にデビューした韓国のロックバンドADOY。2019年のアルバム『VIVID』以来の待望のニューEPだ。日本のアニメに影響を受けたというアートワークが印象的なADOYの作品。その中でも『LOVE』の収録曲「wonder」はインディ界ではかなり話題になり、日本でもTempalayとのツーマンも完売だったそう。本作品はドリーミーな浮遊感が心地よいどこか懐かしい80年代風のレトロな要素と、モダンでアーバンなポップ要素も兼ね備える。今までの作品はドリームポップ感が強かったように感じるが、今年のEP、特に「Atihero」は爽やかなロックの要素が強く、ADOYの新たな一面が見られた。韓国の音楽業界はK-POPだけでなく、HYUKOH(ヒョゴ)などのバンドも注目を浴びており、今後もインディ音楽シーンでは要チェックである。


Lana Del Rey「White Dress」

Lana Del Reyの約一年半ぶりのニューアルバム『Chemtrails Over The Country Club』。こちらは上半期でもセレクトした作品。やはり圧巻。全11収録曲は一貫してシンプルで、そのシンプルさの中でも彼女独特の歌声とメロディの丁寧さで心の癒しや安らぎを表現している。本作はこれまでの作品を想起させるメロディや歌詞が多くちりばめられており、ラナデルレイファンとしては胸アツのアルバム。過去の作品の振り返りや、素材の取り入れは彼女にとって初の試みだったのではないか。アルバムのジャケットにもあるように女性の称賛をテーマにした曲が多く、女性SSW代表格としての強い意志を感じるアルバムだ。また本作品の7カ月後には新アルバムが発表され、彼女のリリースの速さには毎度驚かされる。


Japanese Breakfast「Be Sweet」

韓国生まれアメリカ育ちのMichelle Zaunerによるソロプロジェクト、Japanese Breakfastが新作3rdアルバム『Jubilee』をリリース。第64回グラミー賞、主要4部門を含む2部門(Best New Artist、Best Alternative Music Album)にノミネートされるなど、話題が持ち切りのアーティストだ。過去のアルバムは苦悩や葛藤が描かれた作品が多く、3年前に初めて聴いたときは暗い印象のあるアーティストだった。しかしこのアルバムは何年にも渡った母親の死の悲しみを乗り越えた後に光を取り戻した作品で、「Be Sweet」はポジティブで光に満ち溢れるキラキラポップミュージックそのものだ。グラミー賞を通して再注目したアーティストだが、そうした背景を知って更に好きになった。日本の雑誌の表紙を飾るなど、日本でも知名度を確立している本作品は2021年ベストに外せない。


Coldplay「❤️(Coldplay X We Are KING X Jacob Collier)」

7度もグラミー賞を受賞するなど世界的なイギリスロックバンドColdplayの2年ぶりのアルバム『Music Of The Spheres』。BTSやセレーナ・ゴメスなど超有名アーティストとのコラボ曲が収録され、宇宙がテーマでColdplayの独自の世界観を表現したアルバムだ。収録曲タイトルの半分が絵文字という斬新さも面白い。そんなアルバムの中でもセレクトしたのは、Jacob Collierとのコラボとあってとても期待していた作品。「❤️」だ。Human Heartの意味だそうで、ハートの絵文字一つのタイトルからもう惹きつけられた。ボーカルを何層にも重ねることで厳かにまとまっており、神秘的で壮大なモダンのゴスペルソングのよう。やっぱりこういうヒーリングソングが好きだと改めて感じた。多くのアーティストとコラボしつつも、Coldplayらしさを失わず、独自の世界観を常に昇華し続ける彼らにアッパレ。


Drug Store Romeos「What’s On Your Mind」



Tame Impalaなども所属するFiction RecordsからデビューしたUK出身の3人組バンドDrug Store Romeos。彼らのデビューアルバム『The world within our bedrooms』から「What’s On Your Mind」をセレクト。Beach Houseを彷彿とさせる全体的に薄暗い雰囲気が特徴的で、ドリームポップとシンセサイザーがミックスされたような音楽だ。デビューして間もないが多くの海外メディアに取り上げられ、特にNMEは「このアルバムが30年前にリリースされていたら、今頃はカルト的な人気を誇っていたかもしれない。」と絶賛していた。そんな今後の活躍が期待される彼らのデビューアルバムは”年間ベスト”から外せないだろう。

【Virgin Music Japan Picks】Drug Store Romeosの記事を読む



次回はVirgin Music Japan Staff カジ のセレクトを紹介します。

毎週更新中のSpotifyで聴けるVirgin Music Japan Weeklyプレイリストも、是非チェックを!

--------------------- ---------------------