【2021年上半期ベスト】Virgin Music Japan ベスト・ソング・レビュー vol.4

恒例になりつつある企画、Virgin Music Japanスタッフが厳選する年間ベストソング5選。2020年から続くパンデミックが根強く生活に影響する中でも、絶えることなくリリースされる新たな楽曲があり、たくさんのオンラインライブが開催され、規制をかけながら徐々に蘇るライブハウス/クラブシーンの息吹を少しずつ感じることができるようになってきた2021年上半期のベストソングを、Virgin Music Japanの4人のスタッフが紹介。最終回となる今回は、洋楽&デジタルマーケティング担当のtommyがセレクト。


★ Virgin Music Japan Staff:tommy
プロジェクターを購入し、夜な夜なHulu、Netflix、Disney+、Amazon Primeを徘徊する人。


【Virgin Music Japan TOP 5 Songs】 (順不同)


■ St. Vincent “Sad But True”



今年を代表する名盤となること間違いなしの最新アルバム『Daddy’s Home』を世に送り出した米女性SSW、セイント・ヴィンセントがメタリカの『Metallica Blacklist』に参加し「Sad But True」をカバー。期待を全く裏切らない最高のカバー。ギタリストとしての彼女の姿が堪能できる、ダークでインダストリアル感が強い1曲。セイント・ヴィンセントはレコードストアデイ2021に7インチをリリースし、このメタリカのカバーに加えて、NINの「Piggy」が収録されている。しかも「Piggy」のドラムにはデイヴ・グロールが参加。タイトなミニスカに、ニーハイのピンヒールをはいてギターをかき鳴らす姿に心を奪われて早数年、メタリカとNINのカバー曲のパフォーマンスもぜひライブで見てみたい。

■HEALTH & Nine Inch Nails “ISN’T EVERYONE”




ナイン・インチ・ネイルズ×アッティカス・ロスであれば、とりあえずチェックする人も多いのでは。本作はNINのオープニング・アクトに抜擢されたことで交友関係がはじまったというLAのエクスペリメンタル/ノイズバンドHEALTHとのコラボ曲。暴力的な側面と繊細な美しさが交互に顔を出すようなNINファン歓喜の作品!HEALTHのメンバーが「気の利いたコメントなんてなくても聴けばわかるよ」と言っていた通り、まずは聴いてみて。

■ Shygirl “BDE”



英アンダーグランド・シーンのキーパーソンShygirl。ハイエンドブランドがこぞって楽曲を採用し、UK&ヨーロッパツアーは全公演ソールドアウト、さらにはForbesの<30アンダー30リスト>にも選出されるなど、着実にスターバムへの道を駆け上がっている彼女。昨年発表のEP『ALIAS』のリミックス・シリーズもイケていて、日本でも絶大な人気を誇る英ダンスミュージック界のスターBasement Jaxxやドイツのエレクトロ・ユニットBoys Noizeなどがリミックス。そして次のコラボ相手はなんと英ラッパーslowthai!メロディーがキャッチーなので、うっかり口ずさみそうになるけれど、内容がとんでもなくセクシャルなリリックなので、皆さんも人前で口ずさむ際にはご注意を!

■ Trippie Redd “Miss The Rage ft. Playboi Carti”



ヒット曲を次々と世に送り出しているTrippie Redd。新曲も激アツ。昨年、SNSで予告していた新曲で、意図せずTIKTOK上でバズったため改めてリリースした本作。Miss The Rageのビートを使用したユーザー制作のビデオも次々と登場し、リリース後もTIKTOKを中心にバズが拡大中。ユーザーによっていろいろな遊び方をされおり、すごく今っぽい。日々甥っ子をかわいがる自分には、キッズアニメのThe Backyardigansのテーマソング「Castaways」がリミックスされた音源がお気に入り。
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■ 安部勇磨 “おまえも”



ネバヤンの活動でも知られている安部勇磨のソロ・プロジェクト。部屋にあったゴジラのフィギュアを眺めながら生まれたというアルバムからのリード・トラック「おまえも」。毎回、この曲を聴き終えた後には、なんだか心が穏やかになり、嫌な事があっても流れに身を任せていこうかな、と気持ちが楽になる。肩の荷がおりるような心のお薬的な1曲。


【All Genre TOP 5 Songs】(順不同)


■ Girl In Red “You Stupid Bitch”



ノルウェーから現れた新星SSW。2019年作のシングル「bad idea」から聴き始めて注目していたら、あっという間に大ブレイク。代表曲「Serotonin」はビリー・アイリッシュの兄フィアニスが共同プロデュースということで超話題に。「You Stupid Bitch」は、傷心の相手をなだめているかと思いきや、、、、突然“あんた、ばかなの?あなたの最高の相手は私だから。”という、心に秘めていたもどかしい気持ちが超直球ストレートで飛んでくる痛快なラヴソング。

■ FKA Twigs “Don’t Judge Me ”


UKのラッパーHeadie OneとFred again..によるミックステープ『GANG』収録の「Judge Me」の続編として誕生した本作。まるで映画のトレイラーのように作り込まれたMVをぜひ一度見てほしい。ざっくり説明すると映像では、黒人のイギリス人が体験すること=目に見えない迫害との闘いについてが描かれている(詳しくは調べてほしい)。まるで戦闘しているようなダンスで抵抗するFKAが、何度前に進んでも、座っていた元の椅子に引き戻されてしまう。そこに、彼女の悲痛な叫びのようにきこえる「Don’t Judge Me / 一方的に決めつけないでよ」 という歌声がかぶさってくる。FKA以外にも、映像内では手錠をされ押し付けられているような男性の描写などがあり、イギリスが抱える社会問題を表現したメッセージ性の高い作品になっている。

■ Mogwai “Ceiling Granny ”


25年のキャリアで初の全英1位獲得。ポストロックが2021年の全英チャートを制覇するという素晴らしい出来事に感涙。同じくグラスゴー出身のマイメン、アレックス・カプラノス(フランツ・フェルディナンド)がアルバムを大プッシュしていたのも印象的だった。ライブハウスで音の振動を感じるぐらい爆音でアルバム試聴会とかやらないかなぁと思う毎日。いぶし銀炸裂の哀愁漂う轟音シャワーをどうぞ。爆音推奨。

■ black midi “John L”


カテゴライズできない強烈にカオスな作品がサウスロンドンから到着。「John L」のミュージック・ビデオが狂気の沙汰。あの中央にそびえ立つ扉は鋼の錬金術師の「真理の扉」なのだろうか。扉が開いて喜びの舞を踊り狂うタイツマンたち、優勝で。br>

■ Dry Cleaning “Scratchard Lanyard”


ここ数年ずっとUKではサウスロンドンが良き音楽の震源地。<4AD>と契約と聴いて、チェックしてみるとまんまとドはまり。感情を出さずに気怠そうに朗読するように歌うスタイルが最高。



Virgin Music Japanスタッフが選ぶ2021年上半期ベスト、vo1からvol4までお楽しみいただけたでしょうか。また今年の年末に、ひっそりと、下半期ベストソングと共に戻ってまいります!どうぞお楽しみに。

【2021年上半期ベスト】Virgin Music Japan
ベスト・ソング・レビュー vol.1 はこちらから >>

ベスト・ソング・レビュー vol.2 はこちらから >>

ベスト・ソング・レビュー vol.3 はこちらから >>

スタッフ4名がセレクトしたベストソングを、プレイリストで一気に試聴。


毎週更新中のSpotifyで聴けるVirgin Music Japan Weeklyプレイリストも、是非チェックを!

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